■ 企画展・イベント

企画展

 

企画展「晶子をはぐくんだ堺の文学」を開催します

 

企画展 『みだれ髪』刊行120年記念

「晶子をはぐくんだ堺の文学」を開催します

 

 

 堺市では、令和3年度企画展として、『みだれ髪』刊行120年記念「晶子をはぐくんだ堺の文学」を以下のとおり開催します。

令和3年(2021)は、明治34年(1901)8月に与謝野晶子の第1歌集『みだれ髪』が刊行されてから120年となります。この歌集は、20世紀の幕開けとともに、近代短歌に大きな影響を与えました。

『みだれ髪』に収録された歌には、『明星』に発表した短歌だけではなく、堺で過ごしていた時代(以下「堺時代」という。)に詠まれたものが多く含まれており、晶子の才能はすでに堺時代から開花し始めていました。それには、堺時代に晶子が入会していた「関西青年文学会(浪華青年文学会)」の存在が大きく影響しています。この文学会には、発起人の一人で、与謝野夫妻の生涯にわたる最大の支援者である小林天眠をはじめ、中村春雨や高須梅渓、堺支会の河井酔茗や河野鉄南、晶子の弟やその友人の宅雁月などの才能豊かな若者たちが集まりました。後に晶子の夫となる与謝野鉄幹(本名:寛)との出会いも、当文学会主催の講演会に寛が招かれたことがきっかけでした。

 本展では、近代短歌を象徴する『みだれ髪』が刊行されるまでのいわゆる「堺時代」の晶子の文学活動をはじめ、当時、晶子と交流があった同人たちを紹介し、晶子の原点を探ります。この企画展が晶子の再評価に繋がる機会となれば幸いです。

 

1 日時

令和3年5月15日(土)午前9時~令和3年6月13日(日)午後6時

休館日 5月18日(第3火曜日)

 

2 場所

さかい利晶の杜企画展示室(堺市堺区宿院町西2丁1-1)

主催:堺市 協力:与謝野晶子倶楽部

 

3 観覧料

大人300円、高校生200円、小中学生100円

 ※常設展示(与謝野晶子記念館、千利休茶の湯館)と共通料金

 

4 主な展示資料

 

  1. 与謝野晶子第1歌集『みだれ髪』初版表紙    堺市博物館蔵

与謝野晶子の第1歌集。明治34年(1901)8月、東京新詩社・伊藤文友館刊。掲載画像は表紙で藤島武二の画です。399首を収録。晶子が22歳で上京した二か月後に刊行されました。初版の著者名は旧姓である「鳳」。堺市博物館では、初版だけでなく、三版、四版を所蔵し、本展では初版と共に展示します。後に夫となる与謝野鉄幹(本名寛)との恋愛によって生まれた率直な歌が斬新で、今なお多くの人々から愛され続けています。短歌会にも大きな影響を与え、近代を代表する歌集です。

 

 

 

2.雑誌『関西文学』第2号と晶子歌稿(こと更に)                  堺市博物館蔵

 

(※1)

 

 

(※2)

 

 

(※3)

 

雑誌『関西文学』(※3)は、明治33年(1900)9月、関西青年文学会編、矢島誠進堂刊。

表紙画は中村不折が揮毫。堺の郷土史家で俳人の大野翠峰(おおの・すいほう)が所蔵していた雑誌。晶子が所蔵していた関西青年文学会の機関誌『関西文学』の第2号【※1】の、晶子の歌が掲載されている箇所には、晶子自筆の加筆訂正の跡が見られます。

晶子歌稿(こと更に)【※2】は、『関西文学』第2号に挟み込まれ、同雑誌第1号(明治33年8月)【※3】に発表した歌が書かれた貴重な資料です。

 

 

 

3.【初公開資料】与謝野晶子自筆年譜原稿                           与謝野光氏旧蔵

昭和4年(1929)10月に刊行された現代短歌全集第5巻『与謝野寛集・与謝野晶子集』の入稿原稿。原稿用紙(B4)サイズ、用紙は「山田紙店」製。5枚。

 全集の巻末に掲載された晶子自作年譜(画像はその1枚目)。「あとがき」の原稿とともにクリップ留めされている。実際に刊行された年譜との異同があり、晶子自身が書き留めた堺時代の記録として大変貴重な資料です。

 

 

5 学芸員による展示解説

  5月30日(日)【国際博物館の日記念イベント】午後1時30分~(20分程度)

  ※さかい利晶の杜 企画展示室前集合、参加費無料(展示観覧券が必要)